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​てんとう虫たちの食卓

5名の入賞者が、1年を通してガーデン制作に挑む「東京パークガーデンアワード」。
第3回となる今回のコンテストテーマは『みんなのガーデン』です。
Cエリアのガーデンは、虫たちの「食物連鎖」に一歩踏み込んだ植物選び『バンカープランツ』がコンセプトです。

「てんとう虫の食卓」が出来るまで
虫たちが越冬出来る環境を整える

成虫のまま冬を越す「てんとう虫」などの虫たちのために、厚く敷きつめた木の枝と枯れ草で、シェルターをガーデンの窪地に作りました。同じ効果を狙ってガーデン全体にもウッドチップを敷きつめています。

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それぞれの虫が好む環境の多様化
  1. 作業通路は窪地に、植栽地は緩やかな丘にしています。ガーデンの中に湿った所と、乾いた日の当たる場所をつくっています。

  2. 背の高いグラス植物と、背の低い植物をそれぞれメリハリをつけて植栽しています。身を潜める事を好む虫たちや、明るい開けた場所を好む虫たちが、それぞれ過ごしやすい環境を意識して、ガーデンをデザインしています。

  3. ウッドチップの層を厚く作る事で、地中に潜むことが好きな虫たちやトカゲたちが、繁殖しやすい環境をつくっています。

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虫たちの餌場づくり

冬の間、成虫の姿で越冬していた「てんとう虫たち」のために『バンカープランツ』を使ってエサとなる「アブラムシ」を育成します。豊富なエサ「アブラムシ」を用意して、春の早い時期から活発な交尾と産卵活動を促します。春から秋に向けて、エサが途切れないように『バンカープランツ』となる植物選びも大切です。

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植生の工夫

背の高くなるグラス植物は、「カマキリ」などの大型昆虫が、狩りをするために潜むのに最適です。広がりのある葉を持つ植物たちは、虫たちの格好の隠れ場所になります。ガーデン全体に、植生の高低差をつけることは、さまざまな虫たちがバランスよく生活して行く上で大切なことです。

初夏までの結果

簡単に「てんとう虫」が見つけることが出来るまで、「てんとう虫」の個体数が増えてきました。春先に(3月中旬ごろ)原種系チューリップに、たくさんついていた「アブラムシ」はガーデン全体に分散して生息するようになり、植物に対する食害がかなり減っています。(ヘメロカリスに全くと言って良いほど「アブラムシ」がついていませんでした)

これからの展望
  • 「カマキリ」などの大型肉食昆虫が、個体数を増やし簡単に見つけやすくなる

  • 「カナヘビ」などトカゲが棲みつく

  • 「アゲハ蝶」や「ツマグロヒョウモン」などの幼虫の個体数が増える

  • 「バッタ類」の種類が増える

SCENE
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