「ビオラのタネをつなぐ人」庭人の世界①
- 2024年2月13日
- 読了時間: 4分
更新日:4月25日
植物は、どこから来たのか。
普段あまり意識されることはありませんが、
ひとつひとつに、その場所で過ごしてきた時間があります。
そして、その背景ごと、別の場所へと運ばれてくることがあります。
今回の植物たちも、そんな“流れ“のなかでここに届きました。

ビオラのタネをつなぐ人 ― 庭人・片山清美さんの仕事
私たちが日々目にする花や野菜は、どれも小さなタネから始まります。
中でも、毎年春の庭を彩る人気の花「ビオラ」には、ひたむきにそのタネを守り、次の世代へとつないでいる人たちがいます。今回は、そんな「ビオラの育種家」、庭人(にわびと)・片山清美さんの活動についてご紹介します。

タネをつなぐということ
「タネをつなぐ」とは、単に花を咲かせてタネを採るだけの作業ではありません。
同じ姿・同じ色・同じ生命力を持つビオラを未来へ残すために、育種家たちは何年もかけて研究と選抜を続けています。
その中で、タネをつなぐ人たちの役割は大きく分けて3つあります。
1. ビオラの姿形を固定させる
名前のついたビオラは、色や花形、草丈などがきちんと固定されていなければなりません。
同じ姿のビオラを安定して咲かせるため、片山さんたちは毎年、膨大な数の個体を観察し、理想的な株を選び続けます。
2. 品種の弱点を克服し、より丈夫に育てる
同じ品種だけを掛け合わせ続けると、遺伝的に弱くなってしまうことがあります。
そのため、一定の期間を経て別のビオラと交配し、新しい遺伝子を取り入れて、耐病性や寒さへの強さを高めていきます。
こうして、見た目の美しさを保ちながらも、丈夫で長く楽しめるビオラが生まれるのです。
3. タネを採取し、次の世代へと受け継ぐ
最後に大切なのが、タネを採り、保存してつなぐこと。
タネをつなぐ人がいるからこそ、私たちは毎年同じ美しいビオラを手にすることができます。
一粒一粒のタネには、育種家の情熱と時間、そして自然への敬意が詰まっています。

庭人・片山清美さんの情熱
片山清美さんのビオラづくりには、並々ならぬ情熱があります。
タネをつなぐことの難しさ、自然と向き合う根気強さ、そして花への深い愛情――。
苗ひとつひとつに、その思いが宿っているようでした。
「ビオラを通して自然の神秘を感じる」――。
植物と関わる仕事は、季節の移ろいとともに、生きものの力を肌で感じられる素晴らしい
仕事だとあらためて気づかされます。
まとめ:タネをつなぐ人が未来の花を咲かせる
ビオラのタネをつなぐという行為は、単なる作業ではなく“文化”でもあります。
片山清美さんのような「庭人」の存在があってこそ、春の庭には毎年変わらぬ美しさが訪れるのです。
大きく育ったビオラを嬉しそうに眺める片山清美さん。鈴蘭園ホピーにて。
ビオラは大事な子供たち
今回、霧島から飛行機を乗り継いで仙台まではるばる来て下さった庭人さんは、
ビオラひとつひとつの生まれやビオラの元親となったビオラの品種について
手に取りながら事細かに話してくれました。
まるで我が子について嬉しそうに語るような姿がとても印象に残ります。
大事に大事につないで行ったタネを撒いて、その手で育てられたビオラたちが
多くの人たちを惹きつけて愛され、ビオラを通して元気付けられる
そんな理由はこんな点が、大きく関係しているように思えました。
嫁いで行った数多くのビオラたちもまだ庭人さんにとってかわいい子供たちなのです。
霧島からの贈り物
チャンスがあれば、ぜひみなさんも庭人さんにお会いして贈り物とも言えるビオラを
彼の手から受け取って欲しいなと思います。
寒い季節を乗り切れるとっておきの自分への贈り物になるはずです。
期間限定で開いている。片山清美さんのインスタグラムです。
庭づくりに取り入れる
植物は、ただ植えれば育つものではありません。
どこから来て、どんな環境で育ち、
どんな時間を過ごしてきたのか。
そうした背景が、そのまま庭の中に現れてきます。
この場所でも、最初に考えたのは植栽ではなく、
その“受け皿“となる環境でした。
ただ、この部分は言葉だけでは少し伝わりにくいので、
また別の記事で触れようと思います。
もし、この庭の成り立ちに興味があれば、実際の場所でお話し
できればと思います。
庭づくりの流れについては、
こちらで紹介しています。
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