「タネをつなぐ人」庭人の世界①
- Yudai Ono

- 2024年2月13日
- 読了時間: 4分
更新日:11月1日

ビオラのタネをつなぐ人 ― 庭人・片山清美さんの仕事
私たちが日々目にする花や野菜は、どれも小さなタネから始まります。
中でも、毎年春の庭を彩る人気の花「ビオラ」には、ひたむきにそのタネを守り、次の世代へとつないでいる人たちがいます。今回は、そんな「ビオラの育種家」、庭人(にわびと)・片山清美さんの活動についてご紹介します。

タネをつなぐということ
「タネをつなぐ」とは、単に花を咲かせてタネを採るだけの作業ではありません。
同じ姿・同じ色・同じ生命力を持つビオラを未来へ残すために、育種家たちは何年もかけて研究と選抜を続けています。
その中で、タネをつなぐ人たちの役割は大きく分けて3つあります。
1. ビオラの姿形を固定させる
名前のついたビオラは、色や花形、草丈などがきちんと固定されていなければなりません。
同じ姿のビオラを安定して咲かせるため、片山さんたちは毎年、膨大な数の個体を観察し、理想的な株を選び続けます。
2. 品種の弱点を克服し、より丈夫に育てる
同じ品種だけを掛け合わせ続けると、遺伝的に弱くなってしまうことがあります。
そのため、一定の期間を経て別のビオラと交配し、新しい遺伝子を取り入れて、耐病性や寒さへの強さを高めていきます。
こうして、見た目の美しさを保ちながらも、丈夫で長く楽しめるビオラが生まれるのです。
3. タネを採取し、次の世代へと受け継ぐ
最後に大切なのが、タネを採り、保存してつなぐこと。
タネをつなぐ人がいるからこそ、私たちは毎年同じ美しいビオラを手にすることができます。
一粒一粒のタネには、育種家の情熱と時間、そして自然への敬意が詰まっています。

庭人・片山清美さんの情熱
片山清美さんのビオラづくりには、並々ならぬ情熱があります。
タネをつなぐことの難しさ、自然と向き合う根気強さ、そして花への深い愛情――。
苗ひとつひとつに、その思いが宿っているようでした。
「ビオラを通して自然の神秘を感じる」――。
植物と関わる仕事は、季節の移ろいとともに、生きものの力を肌で感じられる素晴らしい仕事だとあらためて気づかされます。
まとめ:タネをつなぐ人が未来の花を咲かせる
ビオラのタネをつなぐという行為は、単なる作業ではなく“文化”でもあります。
片山清美さんのような「庭人」の存在があってこそ、春の庭には毎年変わらぬ美しさが訪れるのです。
大きく育ったビオラを嬉しそうに眺める片山清美さん。鈴蘭園ホピーにて。
ビオラは大事な子供たち
今回、霧島から飛行機を乗り継いで仙台まではるばる来て下さった庭人さんは、ビオラひとつひとつの生まれやビオラの元親となったビオラの品種について手に取りながら事細かに話してくれました。
まるで我が子について嬉しそうに語るような姿がとても印象に残ります。大事に大事につないで行ったタネを撒いて、その手で育てられたビオラたちが多くの人たちを惹きつけて愛され、ビオラを通して元気付けられるそんな理由はこんな点が大きく関係しているように思えました。
嫁いで行った数多くのビオラたちもまだ庭人さんにとってかわいい子供たちなのです。
霧島からの贈り物
チャンスがあれば、ぜひみなさんも庭人さんにお会いして贈り物とも言えるビオラを彼の手から受け取って欲しいなと思います。寒い季節を乗り切れるとっておきの自分への贈り物になるはずです。
どうしても庭人さんのビオラに会いたい方は
期間限定で開いている。片山清美さんのインスタグラムです「霧島からの贈り物」直販サイトはここから飛んで下さい。
そして、ビオラが咲き始める時期になると片山清美さんは霧島の贈り物を置いている全国のショップを回ります。その機会にお近くのショップへ行かれてみるのはいかがでしょうか?
ショップ一覧
鈴蘭園ホピー 神戸市
フェアリーガーデン 茨城県那珂市
「霧島からの贈り物」庭人の世界② https://www.swallowtailgarden.net/post/「タネをつなぐ人」庭人の世界



























