色の庭と、構造の庭 ビオラの奥にある、もうひとつの設計
- 3 時間前
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土壌・レジリエンス・時間の庭

冬の庭にビオラが咲くと、空気が少しやわらぎます。
光を受けた花弁の色は、春の予感そのものです。
アンティークカラーの重なり。微妙なグラデーション。一株ごとの個性。
多くの人は、その「色」に心を奪われます。
色の庭と、構造の庭 その違いはどこにあるのか。
私は、そこから少しだけ視線を下げます。
色の庭と構造の庭--地上部と地下で決まる

花が美しく見えるのは、光だけのせいではありません。その下にある土が——
呼吸しているか
水が滞っていないか
微生物が生きているか
凍結と乾燥に耐えられる構造か
——によって、色の深みは変わります。
私は庭を「地上部のデザイン」ではなく、土壌の層構造から設計することを大切にしています。
色の庭は"瞬間"をつくる。構造の庭は"時間"をつくる。
ビオラは季節の花です。咲き、やがて終わります。
しかし、構造は残ります。
水の流れ
空気の通り道
微地形
根が伸びる空間
それらは年々成熟し、庭に深みを与えていきます。
私は、庭を「時間の器」だと思っています。
レジリエンスという視点

近年の都市の夏は過酷です。異常な高温、急激な豪雨。
美しいだけでは、生き残れない。
だからこそ、
水を受け止める凹み
風を抜く配置
有機物の層
締め固めない土
そうした設計が必要になります。
花は、その結果として美しくなる。
花を追いかけると、やがて土に辿り着く
ビオラの色に感動することは、とても豊かな体験です。
けれど、その奥には必ず「構造」という静かな世界があります。
私は、色の美しさを否定したいのではなく、それを支える台座を設計したい。
庭は、地上と地下の対話です。
目に見える美しさを、目に見えない構造が支える。その関係を丁寧に設計することが、私の仕事だと思っています。
