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ドライストーンウォールと日本の城石垣の違いとは? ― 空積み石積みの構造と排水思想を比較する

  • 2 日前
  • 読了時間: 2分

ドライストーンウォール日本の城石垣

どちらもモルタルを使わない「空積み石積み」ですが、その構造思想と目的は大きく異なります。


本記事では、英国の伝統技術であるドライストーンウォールと、日本の城石垣を排水構造・可動性・形態美の観点から比較し、現代の都市型ガーデンに応用できる視点を解説します。



【ドライストーンウォールとは何か】


(英国のドライストーンウォール全景・近景)


Dry Stone Walling Associationによって技術体系化されているドライストーンウォールは、モルタルを使わず石同士を噛み合わせて構築する石積み技術です。


特徴は:


  • 透水性が高い

  • 石同士がかみ合い自立する

  • 解体・再構築が可能


壁でありながら、内部に空隙を持つ「呼吸する構造体」と言えます。



【日本の城石垣とは】



姫路城に代表される日本の城石垣も、基本は空積み構造です。


しかしその目的は:


  • 防御性

  • 威圧性

  • 土留め機能



特に「武者返し」と呼ばれる反りのある形状は、防御のために生まれた構造美です。



【排水構造の違い】


(城石垣の断面と栗石層の写真)



ドライストーンウォール


  • 壁全体が透水層

  • 背面の水圧をためない



日本の城石垣


  • 背面に栗石層を設ける

  • 水抜き機能を内部に持つ



共通点は「水を逃がす設計思想」。

違いは、ドライストーンは“全体で排水”、城石垣は“内部で排水”する点です。



【構造思想の違い】


「ドライストーン」は農地境界や牧草地の区画に使われてきました。

自然地形に沿い、環境と共存する構造です。


一方、城石垣は軍事構造物

高さ・反り・稜線の強調など、力学的緊張感が重視されました。



つまり、


  • ドライストーン=風景の石

  • 城石垣=権威の石



という違いがあります。




【現代の庭づくりに活かせる視点】


都市型気候では、


  • ゲリラ豪雨

  • ヒートアイランド現象

  • 地盤変動



が課題になります。


透水性を持つドライストーンの構造は、

レジリエントガーデンに応用できる可能性があります。


一方で、城石垣の構造美や稜線の緊張感は、

デザイン要素として再解釈できます。



まとめ



ドライストーンウォールと日本の城石垣は、

同じ空積み石積みでありながら、異なる思想を持つ構造体です。


しかし両者に共通するのは、


  • 重力を利用する

  • 石の噛み合わせで自立する

  • 水を読む技術



という自然法則に基づいた設計思想。


現代の庭づくりにおいては、

この二つの石積み文化を再編集することが重要です。

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