第1回 「東京パークガーデンアワード 代々木公園」 ① 「植栽の様子」
- Yudai Ono
- 2024年4月7日
- 読了時間: 4分
更新日:2月1日

「Layered Beauty 」代々木公園にナチュラスティックガーデンの風が吹く
「ナチュラスティックガーデン」お花好きの人たちなら最近一度は耳にしたことがあるかと思います。そんな自然界へ迷い込んだようなガーデンを東京のど真ん中、原宿駅の近くの代々木公園で作って来ました。
今回ガーデンを作る仲間たちは、仙台駅前のおもてなし花壇「花降る仙台」の一部のメンバーと「ナチュラルスティックガーデン」をこよなく愛するプロフェッショナルガーデナーたちで構成されています。そのチーム名も「seedheaders、シードヘッダーズ」植物の種子が由来の名前です。
この「ナチュラスティックガーデン」のメインデザイナーは、多品種の宿根草を生産している「はるはなファーム」の鈴木学さん「花降る仙台」で使う宿根草も育てています。
鈴木学さんはオランダのガーデンデザイナー「ピィト・アゥドルフ (Piet Oudolf)」さんの熱烈なファンで、今回の挑戦のはじまりは数年前に初めて日本語訳で上映された映画「FIVE SEASONS the Gardens of Piet Oudolf」にまで遡ります。
https://www.youtube.com/watch?v=3yObTep7g7Q 機会がありましたらぜひ観てみて下さい。
このガーデンのコンセプトは、「季節によって目眩く姿を変えていく草花たち」
「約100種の宿根草と、約50種の球根草花を何層ものレイヤーに配置して、季節ごとの変化を楽しむガーデンです。シードヘッド(花が終わった後の実や種のさやなど)の美しい植物、秋に開花する植物を多く取り入れ、秋以降の美しさにもこだわっています。
私は宿根草苗の生産者です。品種選びにあたって、花期の長い品種、高温多湿に強い品種、日本の植物など、これからの宿根草ガーデンのための提案をつめこみました。」

植え込む前に下準備
今回始まったコンテストガーデンのテーマの一つは持続性やサスティナブルです。最初に主催者から用意されている土も東京都内で発生した残土が使われています。どこかへゴミとして遠くに捨てに行くより身近で使って資源として活用しようと言う社会実験でもあります。
そのサスティナブルな土を改良します。まずは使う植物へ合わせてのpH調整。そしてさらに保肥力を高めるためにピートモスを撒いていきます。最後の仕上げにオリジナルの培養土を適量混ぜ入れて良く撹拌して行きます。ここでようやく草花を植えるステージが整いました。


植物を配置する時ってわくわくしますよね?
「今さっき植えたこの苗がどんな風景を見せてくれるのかな?」といつも想像しながら植えています、そんなワクワク感を写真から感じて頂けたら嬉しいです。
まずは図面通りに一つ一つ花苗を置いて行きます。それから株同士の距離やボリュームを調整して行きます。このボリューム調整はガーデナーの腕の見せどころ、植物の育った姿の想像力が試されます。でも今回は贅沢にも第一線で活躍するプロフェッショナルガーデナーが何人も居るので、それぞれの植物生育経験を共有しながら最終的に植える場所と数量を決めて行きました。植え込み中の雰囲気も同窓会とか文化祭の準備のような和気あいあいとした楽しい植栽作業になりました。芽が本格的に動き始める春がとても待ち遠しいです。

植え込んでいきます
植物の特性に合わせって、深めに植えたり浅く植えたり。もちろん、植える前はある程度根をほぐしてから。
通路になる部分は日当たり良好です。その場所に太陽が大好きな植物や乾燥や暑さに強い植物を配置します。逆に両サイドの外側は何本もハナミズキがあり日陰の時間が長い場所です。日陰の部分にはホスタやエピメディウム、アスチルベなどを植えました。花壇の中央は通路からの強い日差しを遮る様に背の高いユーパトリウムやカラグロスティスのようなグラス類を植えています。


球根がいっぱい
苗の植え込みがある程度仕上がったら、次は球根を配置します。チューリップなどの中くらいの球根はナチュラルに見せるため異なる品種同士を混ぜて花壇に向かって放り投げます。背の高くなる球根植物はガーデナー同士相談しながら最終的に配置を決めていきます。



チーム「seedheaders」シードヘッダーズ
何回かに分けて一年間のガーデンの様子をブログに書いていきたいと思います。
今回の植栽に参加したチームのみなさんです。
・はるはなファーム 鈴木さん https://haruhana-farm.jp
・服部牧場 ガーデナー平栗さんhttps://kanagawa-hattoribokujou.com
・JRA東京競馬場のガーデナーさんたち
・brancheガーデナー兼カメラマン安斎さんhttps://www.instagram.com/branche24ange
・タビネコランドスケープ 「Piet Oudolf Garden 東京」ヘッドガーデナー永村さんhttps://www.facebook.com/TabbycatLandscapes/
・スワローテールガーデン https://www.swallowtailgarden.net
写真提供、安斎さん